ハワイの噴火、なぜ人は
火山に住むのか?

住宅街を襲う溶岩、それでも土地を離れない理由

NATIONAL GEOGRAPHIC

文=Heather Brady/訳=ルーバー荒井ハンナ
PHOTOGRAPH BY U.S. GEOLOGICAL SURVEY, GETTY IMAGES

京都産業大学による見どころチェック!

島民を惑わす、恩恵と危険のジレンマ

「依存、信仰、文化」火山にうごめく価値観

それでも「離れたくない」、島民の意志

 米ハワイ島のキラウエア火山噴火により、住宅が建ち並ぶレイラニ・エステートのすぐ近くで地面に亀裂が生じ、有毒ガスと溶岩が噴出したため、多くの住人が避難した。

 地球上で最も活発な火山であるキラウエア火山は、これまでもイーストリフトゾーンと呼ばれる割れ目帯に沿って頻繁に噴火してきた。そこから噴出した溶岩は、通常なら海へ向かって流れるのだが、今回は内陸へ向かって流れ出た。数百人の住人が教会や近所の民家へ避難した。(参考記事:「【動画】ハワイで「溶岩の滝」が海へ、圧巻の光景」) 

なぜ噴火する火山のそばに住むのか?

 ここで疑問がわいてくる。なぜ人々は噴火する火山の近くに住むのだろうか。いったん噴火すれば、火山灰や有毒ガスで呼吸すら困難ななか、一刻も早く避難しなければならないことはわかっているはずだ。

 だが、まず第一に、実は火山に頼って生活している人々も多い。火山から得られる地熱エネルギーは、近隣の地域に電力を供給してくれる。また、活火山に近い土壌は有用な鉱物を多く含み、農業に適している。毎年火山には多くの観光客が訪れ、ホテルやレストラン、土産物店が立ち並び、雇用が生まれる。ツアーガイドの仕事も多い。その一方で、引越したくてもお金がないという人もいる。 

 また、文化的・宗教的理由で土地を離れない人もいる。レイラニ・エステートのすぐ外に家を持つ不動産仲介業者のジョーダン・ソナーさんは、溶岩が迫っていると聞いてすぐに重要な書類とペットを取りに自宅に戻った。家を失うことはそれほど怖くない、とソナーさんはワシントン・ポスト紙に語る。(参考記事:「ギャラリー:大迫力、空から至近距離で撮ったハワイの溶岩 10点」) 

「私のとらえ方ですが、土地は本来私たちのものではなく、ペレのものであると考えています」。ペレとは、

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