新発見! 銀河系の外に、
1兆個の惑星が存在か

宇宙空間を漂ったり、恒星間を大きく周回したりする惑星も

NATIONAL GEOGRAPHIC

文=Elaina Zachos/訳=北村京子
PHOTOGRAPH BY BABAK TAFRESHI, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE

京都産業大学による見どころチェック!

「重力マイクロレンズ」が銀河の果ての探索を可能に

恒星1個当たりに約2000個の惑星が!

「恒星を持たない惑星」という新たな研究分野へ

 これまで長い間、惑星を銀河系の外で見つけることはできていなかった。そもそも我々のいる銀河系は中央が膨らんだ円盤形をしており、直径が約10万光年、厚みが約1000光年あるため、その外を見るということ自体が極めて難しい。しかし新たな研究は、銀河系外にも惑星が存在する可能性を示している。

 学術誌『The Astrophysical Journal Letters』の2月1日付で発表された論文によると、銀河系外に1兆個を超える惑星が存在する証拠が、初めて発見されたという。(参考記事:「惑星8個もつ恒星、AIが発見、太陽以外で初」

銀河系の外に無数の惑星が

 米オクラホマ大学のチームは、米航空宇宙局(NASA)のチャンドラX線観測衛星からの情報と、重力マイクロレンズ法と呼ばれる惑星探索技術を駆使して、銀河系の外にある遠く離れたクエーサー(非常に明るく高エネルギーな銀河の一種)を調査した。すると、恒星1個当たり約2000個の惑星が存在するという証拠を発見した。これらの惑星には、月くらいの(比較的)小さなものもあれば、木星ほど巨大なものもある。また、これら惑星の大半は、地球のように恒星のすぐそばを回っているわけではなく、宇宙空間を漂ったり、恒星の間を大きく周回したりしている。(参考記事:「きわめて珍しい四つ子のクエーサーを発見」

「この(遠い)銀河に存在する惑星の数は、1兆個以上だと推測されます」。天文学と天文物理学の教授で、研究リーダーを務めたシンウ・ダイ氏はそう語る。

 重力マイクロレンズは、天体の光を増幅させるレンズのようなものだと、論文の共著者であるエドゥアルド・グエラス氏は話す。このレンズを通して天体を観測していると、そばにある物体の影響を受け、地球に届く光が微妙に変化することがある。これを観察することにより、通常は見えないものの存在が明らかになる。(参考記事:「ケプラー新課題、ブラックホール探査も」

 今回観測された天体は38億光年という遠いかなたにあるため、重力マイクロレンズ法だけが、そのおおまかな形をつかむ唯一の方法である。研究者らは、天体の移動速度を根拠に、それらが惑星であると判断している。(参考記事:「生命が存在できそうな一番近い系外惑星が見つかる」

「重力マイクロレンズ効果が恒星に対して起こることもありますが、それは非常に考えにくいです。恒星では、これほど頻繁には発生しないはずです」とグエラ氏は主張する。また、「もし惑星が1個しかないのであれば、それを2度観測する可能性は天文学的に低くなります」としている。

 スケールの大きさを考えると、惑星を発見するのは容易ではない。銀河系内の太陽系外惑星でも直接見ることはほぼ不可能で、天文物理学者はデータを精査しつつ、惑星が存在する痕跡を見つけられるような技術を駆使する必要がある。一般には、そこに実際に系外惑星があるのかどうかについて複数の方法で確認が行われ、場合によっては発見が間違いだったと判明することもある。

NATIONAL GEOGRAPHIC
日本版サイトへ

シェアする

関連する学び

あわせて読みたい記事

地域

「宅配ボックスのキャンパス実験」 から見えてくる、大学の新たな可能性 産学公連携で宅配ボックス実証実験を実施!再配達率が43%から15%に減少 京都産業大学

漁業

衛星で漁船を追跡、なんと 海面の55%超で漁業が 地球規模のデータを水産資源の持続可能な管理に役立てる NATIONAL GEOGRAPHIC

文化

ウィンブルドンの 美しい芝生は科学の結晶 改良重ね管理を徹底、期間中は気象学者も活躍 NATIONAL GEOGRAPHIC
記事一覧に戻る