古代の蛮族ゲルマン軍、
数倍規模か、定説覆す発見

デンマークの湖に鉄器時代の大量の人骨、戦闘後に儀式? ローマ戦以前

NATIONAL GEOGRAPHIC

文=KRISTIN ROMEY/訳=北村京子
PHOTOGRAPH BY DEA, A. DAGLI ORTI

京都産業大学による見どころチェック!

2095個の人骨とその欠片が伝える、ゲルマン民族の新真実

数百人規模の軍隊が原始時代に存在?

勝利の儀式で、「記憶」に残す

 デンマークの広い湿地帯で発見された2000年前の人骨から、北欧における「蛮族」ゲルマン人の戦闘に関する定説を覆す事実が浮かび上がってきた。5月21日付けの「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」に発表されたこの論文ではまた、ゲルマン人が自分たちの戦闘を記念するために儀式を行っていたという独自の解釈が披露されている。 

調査チームは何を発見したのか

 デンマーク、ユトランド半島のモスー湖畔の広大な湿地にあるアルケン・エンゲ遺跡から、少なくとも82人分の骨に相当する計2095個の人骨および骨の欠片が発掘された。科学的な調査の結果は、大半が若い成人男性であり、その全員が紀元1世紀に起こったある戦いによって命を落としたことを示唆している。治癒しないまま残された骨の傷や発見された武器からは、彼らが戦闘中に倒れたことがわかる。(参考記事:「遠方より来たる“泥炭地のミイラ”」

 調査チームは、75万平方メートルにおよぶ湿地全体を調べたわけではない。だが、これまでに発掘された骨の分布状況を元に、約2000年前に、380人以上の人々が湖畔の泥水の中に埋葬されたと推測している。 

この発見はなぜ重要?

 今回の発見は、鉄器時代の欧州に存在した軍の規模を大幅に拡大するものだ。

 ゲルマニア地方の「荒々しく残酷な」「蛮族」については、ローマ人が多くの記述を残している。とはいえ、ゲルマン人の戦闘能力に関して、詳しいことはほとんどわかっていない。ドイツにある数少ない既知の古戦場(「トイトブルク森の戦い」の地の周辺が代表例)には、保存状態のよい遺物はないに等しく、

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