燃料いらずの夢の宇宙エンジン、第三者が初の検証

物理法則に反すると言われるNASAの「EMドライブ」、追試実験の結果は?

NATIONAL GEOGRAPHIC

文=Nadia Drake/訳=ルーバー荒井ハンナ
IMAGE BY ISTOCK, GETTY IMAGES

京都産業大学による見どころチェック!

まるでSF映画。宇宙旅行への新たな兆し

マイクロ波の反射がうみだす推進力とは

新発明は磁場のまぼろしか? 推進力論争は地球視点の検証へ

 宇宙旅行は大変だ。重い宇宙船に貨物、そして人間を打ち上げ、それなりの速度で別の惑星まで飛行し、欲を言えばねらった目的地でちゃんと停止したい。それには莫大な量の推進剤が必要になる。残念ながら、現在のロケットではおよそ非現実的だ。(参考記事:「推進剤は火星で製造、最新版「火星の帰り方」」

 だが、燃料を使わずに推力を得られるエンジンがあれば、話は別である。

 まるで夢のような話に聞こえるけれど、NASAの研究所イーグルワークスは、まさにそのようなエンジンを製作しようと試験を重ねてきた。物理法則に反するとも言われるその装置は、「EMドライブ」と呼ばれ、燃料を使わず、密閉された円錐形の容器の中でマイクロ波を反射させるだけで推力を得るとされる。

 いわば、スター・ウォーズの宇宙船ミレニアム・ファルコンが、ハン・ソロ船長がダッシュボードに頭突きをしただけで飛ぶというようなものだ。奇妙な話に聞こえるのは当然である。(参考記事:「スター・ウォーズ好きなら行ってみたい名所5選」

 EMドライブについては、2016年末にも、NASAが最新試験結果を発表して話題になった。そして今度は、NASAとは無関係のドイツの研究者たちが独自にEMドライブを製作し、NASAが成功したと主張する実験の結果を検証し、報告した。(参考記事:「燃料不要の夢の宇宙エンジンは可能、NASAが発表」) 

 その内容は、最近開催された宇宙推進会議の記録によると、「推進力は、EMドライブから発生したのではなく、何らかの電磁相互作用による」というものだ。

 ドイツにあるドレスデン工科大学のマーティン・タジマール氏率いるグループは、様々なセンサーや自動の機器を取り付けた真空槽の中に、EMドライブを入れて試験を行った。そうやって、振動や熱、共鳴、その他推力を発生させそうな要因をほぼ全てコントロールできたものの、地球の磁場の影響は完全には遮断できなかった。

 EMドライブ内でマイクロ波の反射が起こらないような状態にして、試験装置のスイッチを入れたが、EMドライブはそれでも推力を得ていた。これはおかしい。NASAの説明が正しければ、

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