絶滅寸前のサイ、冷凍精子で
ハイブリッド胚を作成

メス2頭しかいないキタシロサイ、バイオ技術での回復はあるか

NATIONAL GEOGRAPHIC

文=Annie Roth/訳=山内百合子
PHOTOGRAPH BY DAVID CHANCELLOR, KIOSK

京都産業大学による見どころチェック!

最後の種は、メス2頭。絶滅は不可避か?

零下で眠る種子が秘める、救済の希望

テクノロジーの限界と可能性。種の多様性維持に挑む

 冷凍保存されていたキタシロサイの精子と、亜種のミナミシロサイの卵子を体外受精させ、子宮外でハイブリッド胚を作ることに成功したとの論文が、2018年7月4日、学術誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に掲載された。絶滅に瀕するキタシロサイの未来に希望をもたらす成果だと評価する声が上がっている。(参考記事:【動画】鮮やかに追跡!受精後の細胞分裂24時間

 2018年3月に最後のオス「スーダン」が老衰で死に、残るキタシロサイは繁殖年齢を過ぎたメスの2頭だけとなった(2018年7月現在)。シロサイには、ミナミシロサイとキタシロサイがいるが、キタシロサイはこれで絶滅必至の状態となった。このサイをよみがえらせる方法は、人工的な手段しかなくなっている。(参考記事:絶滅寸前のキタシロサイ、最後のオスが感染症に

 アフリカ南部と中部に生息していたキタシロサイは、密猟と生息地の減少にともない姿を消していった。これまでも飼育下での繁殖が試みられてきたが、いずれも失敗に終わっている。

 そんななか、科学者たちは過去30年にわたり、スーダンを含む数頭のキタシロサイから精子と卵子を採取していた。2018年初頭には、家畜の人工授精を専門とするイタリアのバイオテクノロジー企業アバンテアの科学者が、保存されていたスーダンの精子を使って、飼育下にあるミナミシロサイの卵子を受精させることに成功していた。今回の発表はこれを進めたものだ。(参考記事:人間と羊のハイブリッド胎児の作製に成功

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