犬の食肉処理に
初の違法判決、韓国

「食用にするのは犬を殺す合法的な理由と言えない」

NATIONAL GEOGRAPHIC

文=Heather Brady/訳=ルーバー荒井ハンナ
PHOTOGRAPH BY JUNG YEON-JE, AFP/GETTY

京都産業大学による見どころチェック!

1年間に推定200万匹。根強い犬食文化

若者の間には「ペット」という価値観も

牛、豚、鶏と、犬はどう違う? 生命の本質が焦点に

 韓国の裁判所が、食肉用に犬を処理するのは違法であるとの判決を下した。韓国でこのような判決が出るのは初めて。

 犬肉産業の違法化に向けた第一歩ではあるが、今回は食肉処理だけを違法としたのであって、犬を食べること自体が禁止されたわけではない。(参考記事:「台湾、犬肉や猫肉の消費に罰金、アジア初」

 米ワシントンD.C.にある動物保護団体アニマル・ウェルフェア・インスティテュートによると、韓国では1年間に推定200万匹の犬が食用に処理され、10万トンの犬肉を消費している。動物保護団体ヒューメイン・ソサイエティ・インターナショナルは、世界的には3000万匹の犬が食用に供されていると推定している。東アジアの一部では、昔から犬は当たり前のように食べられてきた。(参考記事:「犬肉祭り」が中国で開催、食用に1万匹とも」

 今回の判決は、2017年、動物の権利保護団体コエグジスタンス・オブ・アニマル・ライツ・オン・アース(CARE)が、「適切な理由なしに動物を殺している」として韓国富川(プチョン)市の養犬業者を訴えた裁判で示された。判決は今年4月に出されていたが、その詳細が6月末まで明らかにされなかったため、あまり広く知られていなかった。

 AFP通信によると、富川の裁判所はCAREの訴えを認め、食用にするのは犬を殺す合法的な理由とは言えず、さらに養犬場を取り締まる目的で自治体が課した建物および衛生管理規制にも違反しているとして、この養犬業者に対して300万ウォンの罰金を言い渡した。業者は、控訴権を放棄した。

「食肉用に犬を処理することは違法であるとの判断を裁判所が示したのはこれが初めてであり、大変重要な判決です」。CAREの弁護士を務めるキム・キョンウン氏は、英ガーディアン紙にそう語った。 

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