古代の墓から新種の類人猿の
骨を発見、すでに絶滅

中国・秦の始皇帝の祖母の墓で出土、ペットだった?

NATIONAL GEOGRAPHIC

文=Maya Wei-Haas/訳=三枝小夜子
PHOTOGRAPH BY DOUG GIMESY

京都産業大学による見どころチェック!

始皇帝の祖母の墓に眠っていた、新種の類人猿

絶滅の一因は、人類の農業革命にあった!?

ペット化も一因か? 歴史に学び、未来に活かせ

 中国の古代の高貴な墓で見つかった奇妙な骨が、絶滅した新種の霊長類のものだった。6月22日付け学術誌『サイエンス』に論文が発表された。

 この頭骨が見つかったのは、2004年に発掘された「夏太后」の墓。夏太后は、中国を初めて統一した秦の始皇帝の祖母である。中国メディアの報道によると、墓の中には、ヒスイや金、銀、彫刻のある陶器、馬車2台など、豪華な副葬品がおさめられていた。(参考記事:「色鮮やかによみがえる兵馬俑」

 墓の中の12個の穴からは、ツキノワグマやヒョウ、ヤマネコ、ツルといった動物の骨が出てきた。注目すべきは、奇妙なテナガザルの骨だ。この小型類人猿の頭骨は非常に変わっていて、研究者たちは、夏太后のペットが今は絶滅してしまった新属新種のテナガザルだったと考えている。

 研究者たちはこの動物に「ジュンズィ・インペリアリス(Junzi imperialis)」という学名を与えた。「Junzi」は中国語で「君子」を意味し、この頭骨が高位の人物の墓から発見されたことと、古代中国の神話ではテナガザルが君子とされる場合が多いことにちなんでいる。

 論文によると、今回の発見は、人類が昔からテナガザルを捕獲していたことを強く証拠立てるものであり、過去の霊長類の絶滅に人類が影響を及ぼした範囲の解明に役立つという。

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