コロンブスの地図に隠されていた秘密、明らかに

最新技術で歴史に大きな影響を与えた地図の全貌が明らかになった

NATIONAL GEOGRAPHIC

文=GREG MILLER/訳=北村京子
IMAGES BY LAZARUS PROJECT / MEGAVISION / RIT / EMEL、 COURTESY OF THE BEINECKE LIBRARY、 YALE UNIVERSITY

京都産業大学による見どころチェック!

事実と異なる世界地図に惑わされたコロンブス

大航海時代の地図が、現代に蘇る

情報と地図製作者によって、世界の姿は変化する

 1491年に製作されたこの写真の地図は、クリストファー・コロンブスが初の大西洋横断に挑んだ当時に認識されていた世界の姿を表した地図として、最も良い状態で残っているものだ。コロンブスは航海の計画を立てる際、実際にこの地図の写しを使っていた可能性が高い。(参考記事:「コロンブスに勝てなかった“新大陸発見者”とは?」

 この地図を描いたのは、ドイツの地図製作者ヘンリックス・マルテルス。地図には当初、土地にゆかりの伝説や解説文が大量にラテン語で記されていたが、その大半は時と共に色あせてしまった。

 しかし今回、最新の技術を用いた研究で、判読が難しかったそうしたテキストの多くが明らかになった。

マルテルスの地図とコロンブス

 当時のヨーロッパ人が認識していた世界の姿は、現代人が今知っている姿とは大きく違う。そのことはマルテルスの地図にも表れていると、研究を主導した地図研究者のチェット・ヴァン・ドゥーザー氏は言う。(参考記事:「16世紀の世界地図、総数60枚がデジタル地球儀に」

 マルテルスの地図では、ヨーロッパと地中海は概ね正確に描かれている。しかしアフリカ南部は東につま先を向けたブーツのような形をしており、アジアも奇妙な形に歪んでいる。南太平洋に浮かぶ大きな島の位置は、実際のオーストラリアがある場所にかなり近いが、これは偶然の一致だろうとヴァン・ドゥーザー氏は考えている。ヨーロッパ人がオーストラリア大陸を発見するのは、それからさらに1世紀たった頃だからだ。マルテルスは太平洋南部に想像上の島々を配置しており、そこには何もない空間を嫌うという、地図製作者にありがちな傾向が見てとれる。

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