「超人」の秘密を探る、特別な人々から学べること

バスケのスター選手から顔面移植をした患者まで

NATIONAL GEOGRAPHIC

文=SIMON WORRAL/訳=牧野建志
PHOTOGRAPHY BY LARRY W. SMITH/ POOL/ REUTERS

京都産業大学による見どころチェック!

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「超人」という言葉からは、悪と戦う漫画のキャラクターを思い浮かべる人も多いだろう。しかし、科学雑誌「ニュー・サイエンティスト」の編集長を務める進化生物学者ローワン・フーパー氏が、5月に出版した本『超人:ずば抜けた心と体を備えた人の人生(Superhuman: Life at The Extremes of Mental and Physical Ability)』で紹介している人たちは、あなたや私と同じ普通の人間だ。まあ同じというのは言い過ぎとしても、それほど変わらない。紹介されているのは、普通の人間だが、なんとかして普通ではないことを成し遂げた人たち。恐ろしい病気に苦しんでいても幸せを見つけた人や、バスケットボールのスリーポイントの名手などだ。

 フーパー氏は、ロンドンで行ったナショナル ジオグラフィックのインタビューで、意識はあっても話すことも動くこともできない「閉じ込め症候群」の女性が楽観的だったことがとても印象に残ったこと、NBAのレブロン・ジェームズ選手が眠ることが好きな理由、長寿地域「ブルーゾーン」の住人が特に長生きな理由には遺伝的要因もあるかもしれないことなどについて、次のように語った。

 ――この本を書くにあたり、爆弾処理の専門家から閉じ込め症候群の人まで、特別な人たちを多く取材したと思います。そのうちの何人かについてお話しいただけますか。そして、その人たちと私たちの共通点について教えてください。

 シャーリー・パーソンズさんは、閉じ込め症候群に苦しむ女性でした。脳幹卒中になった後、体は完全に麻痺しましたが、心に障害はありません。彼女のことを知ったのは、主治医が私に連絡をくれたからです。彼女は、ひどい後遺症が残ったのにもかかわらず楽天的で、その明るい性格や幸せの感じ方に、この主治医は感銘を受けたということでした。

 メールで連絡を取り合ううちに、彼女のことが少しわかり、会う約束をしました。そのやりとりの中で彼女は、自分が幸せな人間だと言い、それどころか、脳卒中を起こして閉じ込め症候群になる前よりも今の方が幸せだと言うのです。

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