宝石になった恐竜の化石を発見、しかも新種

ゴンドワナ超大陸の恐竜について新たな手がかり、オーストラリアで発見

NATIONAL GEOGRAPHIC

文=JOHN PICKRELL/訳=高野夏美
ILLUSTRATION BY JAMES KUETHER

京都産業大学による見どころチェック!

オパールでできた化石が解き明かす白亜紀の謎

かつての超大陸“ゴンドワナ”で生きた恐竜の足跡

奇跡的な発見は恐竜同士のつながりを解き明かす

 オーストラリア内陸の町、ライトニング・リッジに近いウィー・ワラの鉱山から、まばゆい化石がもたらされた。新種として新たに命名された恐竜、ウィーワラサウルス・ポベニ(Weewarrasaurus pobeni)の化石だ。12月4日付けで学術誌「PeerJ」に論文が発表された。

 鳥脚類という恐竜のグループに属するウィーワラサウルスは、大型の犬ほどのサイズで、後ろ脚で歩き、くちばしと歯を両方備えて、植物を食べていた。身を守るため、群れで移動していた可能性がある。北半球にはトリケラトプスやハドロサウルスといった植物食の恐竜がいたが、南半球にはそれらと大きく異なる恐竜たちが生息していたらしい。今回の化石も、そうした証拠の一つに加わった。

 しかし、この化石の驚くべき特徴は、オパールでできていることだろう。オパールは貴重な宝石の原石で、オーストラリアのこの地域で産出することが知られている。

「古生物学者としては、骨の解剖学的な構造にとても興味があります。特にこの場合は、歯です」。論文の筆頭著者でオーストラリア、ニューイングランド大学のフィル・ベル氏はこう話す。「しかし、ライトニング・リッジで調査をしていると、虹色のオパールの中に保存された化石があるという事実を無視できません」

地球上に二つとない場所

 シドニーの700キロ余り北西にある乾燥地帯に、数百の小さな鉱山がある。しかし、恐竜の化石はごくまれにしか見つからないため、歯のついた顎の化石が発見されたのは奇跡的だとベル氏は言う。「間違いなく独特です。美しいオパールの中に恐竜が保存されている場所は、世界中探しても他にありません」(参考記事:「恐竜時代の鳥の翼、琥珀の中でありのまま保存」

 オパールは、ケイ酸を豊富に含む地下水が濃縮し、長い年月をかけて生成される。今回の化石は2013年、アデレードに拠点を置くオパールのディーラー、マイク・ポーベン氏が発見した。新種の学名は彼の名にちなんでいる。ポーベン氏はいつものように、加工前のオパールを採鉱業者から1袋買い、化石を探していた。すると、見慣れないかけらが1つ目に留まった。

「頭の奥で『歯だ』という声がしました」と彼は振り返る。「信じられない、と思いました。ここに歯があるなら、これは顎の骨じゃないかと」

NATIONAL GEOGRAPHIC
日本版サイトへ

シェアする

関連する学び

あわせて読みたい記事

文化

2700年前の謎の 黄金財宝、起源を解明 古代王国タルテッソスの財宝とされた装飾品、素材を分析した NATIONAL GEOGRAPHIC

遺伝子

“海洋科学のすべてを変える技術” 環境DNAに期待 わずかな量の淡水や海水から海洋生物の生息数を調べる新技術が注目されている NATIONAL GEOGRAPHIC

微生物

光合成する微生物を地下深くで発見、定説覆す 太古の地球で酸素を増やしたシアノバクテリア、暗闇の極限環境に生存の意味は NATIONAL GEOGRAPHIC
記事一覧に戻る